文部科学省がiPS細胞の臨床研究開始までの年数など、到達目標を段階別に示した「研究ロードマップ」を発表しました。
iPS細胞というのは、あらゆる細胞や組織になりうる細胞のことです。
これは医療を革新的に進化させる新技術として期待されています。
例えば、現在の医療で最も効果的なのは移植、ですが、iPS細胞で組織が培養できれば、拒絶反応のない安全な組織に取り替えることが出来るようになります。
再生医療研究では、まず5年以内に網膜細胞の一種(網膜色素上皮細胞)を使った臨床研究を始めます。
心筋梗塞(こうそく)などの治療に使う心筋細胞の臨床研究開始は5〜7年後。
前提としてiPS細胞から心筋細胞をつくる技術を3年程度で確立させます。
脊髄(せきずい)損傷などの治療が期待される神経細胞の臨床研究開始は、7年後以降。
iPS細胞から神経細胞をつくる技術の確立に2〜4年かけます。
臨床研究開始の目標が最も先なのは、糖尿病や腎不全の治療に必要な膵臓(すいぞう)や腎臓の細胞で、10年後以降としました。
基礎研究分野では、2年以内にがん化などの危険性が少なく品質の高いiPS細胞の作製法を確立し、3年以内に細胞配布の体制を整えていきます。
今年度は補正予算も含め、研究や拠点整備などに約145億円が投じられるそうです。
ロードマップ、道筋を示すことで研究を推進することと、国民の理解を得られるようにすることが目的なのでしょう。
最近子供の臓器移植の話題がありましたが、こちらの技術で助かる命が増えていくようになれば良いですね。
